『Dawn of the Jedi』第一部「Force Storm」(2 of 5)

Dawn of the Jedi

この投稿では、スター・ウォーズの最古の歴史文献と思われるコミック『Dawn of the Jedi』第二巻のあらすじを紹介し、ポイントを解説しています。

第一巻についてはこちらを参照ください。

導入

銀河の支配を目論む残忍かつ攻撃的なラカタ種族(ラカタン)は、フォース豊かな星を探しては征服を繰り返していました。

強力なフォース・ハウンドのゼシュは、直属の上官であるプレドール・タルカーに付き従い、次のターゲットとなる惑星を目指します。
その魔の手は、今まさにタイソンに迫ろうとしていました。

タイソン星系の最外縁部にある惑星フューリーズ・ゲートで、正体不明の物体がセンサーによって感知されました。
しかし、それも一瞬のことで、物体はセンサーから消えてしまいます。

ジェダイ・レンジャー(※1)のホーク・リョウは、フォースによって、消えたかのように見えるだけで実際には存在していること、そしてその物体から暗黒面を感じ取ります。

危険を察知した彼は、タイソンにいるジェダイ・マスター・ケトゥに報告するとともに、自身もファイター(戦闘機)で正体不明の物体を追跡するのでした。

※1:ジェダイ・レンジャーとは、カノンでのジェダイ・ナイトに相当する階級です。

この時代のジェダイ (Je’daii) は、候補生 (Youngling) から始まり、見習い (Apprentice)、旅人/ジャーニア (Journeyer)、レンジャー (Ranger) を経て、最終的にマスター (Master) へと成長します。

タイソン - アニル・ケシュ寺院にて

タイソンには、各地にジェダイ・テンプル(ジェダイ寺院)が建設されていました。
その一つがアニル・ケシュです。

アニル・ケシュ寺院は、計り知れぬ深さの谷を跨いでいました。

ジェダイはここで、フォースと科学を融合させた錬金術を研究し、アーマーや武器を強化するとともに、野生のクリーチャーを遺伝子操作して実験生物を創り出したりもしていました。

寺院の下にある谷の裂け目は、この物語の謎に迫る最大のカギとなる場所です。
底には未だ誰も到達したことがなく、降りたものは命を落とすか、発狂してしまうのでした。

この日、アニル・ケシュ寺院の外には、実験生物を伴ったジェダイ師弟の姿がありました。
ジェダイ・マスターのクアン=ジャンと、その弟子、ジャーニアのシェイ・コーダです。
連れていたのは、翼を生やしたランコア(ランコア・ドラゴン)で、シェイはそのクリーチャーに「ブッチ」という名前を付けていました。

さすがに、ただ散歩させているわけではないと思うので、訓練目的での外出でしょうか。
研究室ではおとなしくしていたランコア・ドラゴンが、シェイの言うことを聞かず暴れだし、二人を振り切って逃走を図ります。
その逃げた先は、裂け目の中。

ブッチを追うシェイ・コーダは、裂け目の中で黒装束の謎の男の幻影を見ます。
第一巻の記事を既読の読者はお気づきかもしれませんが、この幻影の正体はゼシュですね。
幻影はフォースが見せたヴィジョンであると理解したシェイは、フォースの意志に従って旅立つのでした。

自然に生息する生き物を遺伝子操作して実験生物を創り出す、というのは、なんともジェダイらしからぬ行動に思えます。
どちらかと言えば、ダークサイドの所業に感じますよね。

レジェンズ作品からは、多くの設定やキャラクターがカノンに採用されているのは周知の事実ですが、この設定はさすがにカノンにはならないのではないかと推測します。
それとも、何万年も昔のことなので、当時のジェダイ(Je’daii)にとってのフォース研究の一環として不自然ではないと受け入れることもできるかもしれません。

シカアクワのリョウ氏族

舞台はシカアクワに変わります。
シカアクワは、第一巻のジェダイ・マスター・ケトゥの昔話に登場した惑星です。

かつては専制君主女王ハディヤによって統治されていましたが、現在は氏族によって形成される封建的なギャングたちが支配権を争っていました。
その中でも最も有力な氏族が、ヴォルノス・リョウ男爵率いるリョウ氏族でした。

この名前に、ピンと来た方もいらっしゃるかもしれません。
本投稿の冒頭に登場したジェダイ・レンジャーのホーク・リョウと姓が同じですね。
実はこの二人は血縁関係で、ホークの実兄がヴォルノスです。
ギャングのボスを兄に持つジェダイというのは、なんとも斬新な設定ではありませんか。

しかし、驚くのはまだ早いです。
さらにもうひとり、ヴォルノスの娘、ターシャ・リョウもジェダイ(ジャーニア)として登場します。

ジェダイ・レンジャーとして活躍する弟のホークのことは諦めているのか、実の娘の方を優先したいからなのか、ヴォルノスはターシャに自分の跡目を継がせようとします。
しかしターシャは「ジェダイこそが自分の居場所」と反抗。
この一連のやり取りの中で、ターシャの母、つまりヴォルノスの妻もジェダイであることが示唆されます。
どれだけジェダイ一家なのでしょうか。ここまで来ると、「芸能一家」ぐらいのノリにも感じられ、クスっときました。

そこへ、ヴォルノスを亡き者にしようとする暗殺者のジャリス・カンが現れますが、ターシャの働きにより事なきを得ます。
戦闘の最中、ここでもターシャの前に黒装束の幻影(ゼシュ)が現れます。

シェイ・コーダと同じく、フォースによる導きに従い、ターシャ・リョウも家族の元を離れ、旅立つのでした。

タイソン - キゴン・ケシュ寺院にて

舞台がタイソンに戻ってきました。
サイレント・デザートという砂漠の中に建てられたキゴン・ケシュ寺院です。

サイレント・デザートという名前のとおり、この砂漠の砂は、音という音をすべて吸収してしまう不思議な性質を持っており、砂漠全体は完全な静寂に包まれていました。

キゴン・ケシュ寺院で、女性たちから「セクノス」と呼ばれるシス(※2)の若者が、黄色い声援を浴びながら何かの技を披露しようとしています。

※2:シスと言ってもダークサイドや暗黒卿ではなく、シスという種族です。

元々、シスとは種族であり、この時代にはダークサイドの代名詞としてのシスは存在していませんでした。

両の掌で何かを包み込むようなポーズ(ドラゴンボールのカメハメ波のポーズに似ている)を取り、内側には稲妻が生成されていきます。
どうやら、セクノスはフォース・ライトニングを試みているようです。
と、その時、彼もまた見たのです。シェイとターシャが見た黒装束の幻影を。

集中力を乱されたセクノスは、自身が作り出したフォース・ライトニングを受けて火傷を負ってしまうのでした。

ダークサイドに通じる技「フォース・ライトニング」を試みたセクノスは、祖父母からこっぴどく叱られますが、悪びれる様子もありません。

幸い怪我の程度は軽く済み、セクノスもフォースの導きに応じて旅に出ました。
突然の旅立ちに驚きながらも孫を見送る祖母は、セクノスを甘やかしすぎると祖父を非難し、そんなことではセクノスがいずれ「デーゲン・ロックのようにボガン送りにされかねない」という趣旨の言葉を発します。

邂逅

シェイ・コーダ、セクノス・ラス、ターシャ・リョウの3人のジェダイ・ジャーニアは、フォースの導きにより同じ場所へとたどり着きました。

皆が黒装束の幻影を見たことを確認し合っている中、1機のスターシップが墜落してきます。

生存者の確認に向かう3人は脱出ポッドを見つけますが、そこから現れたのは、彼らがヴィジョンで見た謎の男(ゼシュ)だったのです。

主な登場人物の紹介

これで、全編を通しての主役級の面々がそろい踏みしたことになります。

  • ゼシュ
    • ラカタのフォース・ハウンド。数多くのハウンドの中でも、傑出したフォースと戦闘能力を併せ持つ。
  • デーゲン・ロック
    • ボガンの月に送られ軟禁生活を強いられる元ジェダイ。どう見てもダークサイドを感じさせる謎の存在だが、果たして…。
  • シェイ・コーダ
    • ダソミリ種族のジェダイ・ジャーニア。活動的であけすけな性格。
  • セクノス・ラス
    • シス種族のジェダイ・ジャーニア。イケメン設定らしく、女性にモテモテ。
  • ターシャ・リョウ
    • トワイレック種族のジェダイ・ジャーニア。シカアクワで大きな勢力を持つギャングのボスを父に持ち、レンジャー・ホーク・リョウの姪に当たる。

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