『キャシアン・アンドー』シーズン2 第4~6話

キャシアン・アンドー

スター・ウォーズのドラマシリーズ『キャシアン・アンドー』(原題:ANDOR)のシーズン2、第4話から第6話についてレビューしています。

『キャシアン・アンドー』は、Disney+(ディズニープラス)で視聴できます。

※ 入会が必要です。

この3話で全12話中の6話が終わり、後半のテーマへ続くことになります。

シーズン1は大きく2つのエピソードから物語が構成されていましたが、シーズン2のメイン舞台はゴーマンです。そして、次の第7話はBBY 2ということになるので、「あの出来事」を描かず終わらせるはずはないでしょう。

第1話から第3話までは、ストーリーを細かく記述する形式でお伝えしてきましたが、ここからは最低限のネタバレにとどめ、物語の展開を詳細にお伝えすることは控えます。

ここから先は、キーワードの説明や感想を述べるために必要な最低限のネタバレを含みます。

各エピソードのタイトルとあらすじ

第4話 『ゴーマンに行ったことは?』

キャシアンとビックスはコルサントにあるルーセンの隠れ家に潜伏していました。
人の多い街に紛れ込んで安全に過ごすためです。
第3話から1年経った今も、ビックスはドクター・ゴーストの悪夢にうなされる日々を送っているのです。

シリル・カーンは標準局のゴーマン支局長に出世していました。(シリルの母は相変わらず「左遷」だと無神経な発言をしています)

盗聴・監視されていることを逆手に取り、シリルはついにゴーマン戦線と接触することに成功しますが…。

帝国保安局では、ロニ・ヤング監査官が命がけの潜入捜査を進めていました。
娘が生まれたことでスパイ活動から手を引きたいと申し出たロニでしたが、ルーセンはそうさせません。これはシーズン1の第10話での出来事でした。

モン・モスマは「再判令」(PORD)の廃止を求めて奔走するも思うようにはいかず、票の獲得に苦戦していました。
「再判令」とは、「公共秩序再判決指令」の略称で、原文では「PORD」。”the Public Order Resentencing Directive” の頭文字を取っています。
シーズン1でキャシアンたちがアルダーニの帝国軍要塞を襲撃し、現金強奪に成功したことを受けて、帝国軍が制定した法令で、銀河帝国に対するあらゆる犯罪行為に対してより厳しい刑罰とより長い懲役刑を課す内容でした。

シーズン2前半の主要惑星であるゴーマンでは、ゴーマン戦線の集会が開かれており、紡績工場の仲介人、ブレカンティの演説が始まっていました。
続く、レジンも持ち時間をオーバーして熱い演説を繰り広げます。(このレジンは、後にキーマンになります)
聴衆の中にはシリル・カーンの姿もあります。
集会の解散後、シリルは戦線のリーダー、カロ・ライランツに接触することになりますが、そこで過去にグランドモフ・ターキンがゴーマンにもたらした悲劇についても語られます。

惑星ディカーでは、ソウ・ゲレラ率いるパルチザンの中に、ウィルモン・パアクの姿がありました。
ライドニウムを奪うための装置の使い方をパルチザンに教えるため、ディカーに送られたようです。
人質のような扱いを受け、約束通り帰ることができなくなったウィルモン。その命すらソウの胸先三寸という状況で不安な日々を過ごします。

第5話 『友達はあちこちにいる』

ここから先は、ストーリーの紹介はさらに薄めにしてネタバレを最小限にとどめます。

ゴーマン、コルサント、ディカー、それぞれの場所でそれぞれの反乱が着々と準備されていきます。

特に私が手に汗握ったのは、スカルダンの骨董品に仕掛けた盗聴器を外すクレヤのミッションです。

第6話 『実に楽しい夜だ』

シーズン2前半のクライマックス。

勝ち目のない反乱が幕を開けようとしていました。
いえ、このミッションは成否や勝負だけでは語ることができません。
その代償はあまりに大きいものでした。

感想

4話と5話は、シーズン1前半のクライマックスである第6話に向けて、さらに丁寧にじっくりと登場人物や出来事が語られていきます。
12話というボリュームで作られた最大のメリットです。

前半の最終話はシーズン1を凌駕する盛り上がりと緊迫感でした。

政治スパイサスペンス

スター・ウォーズは一般的にはSFに分類されますが、キャラクターや設定、武器や乗り物などの細部に至るまでのこだわりによって、圧倒的なリアリティを感じられるところも大きな魅力のひとつでしょう。

このドラマ『キャシアン・アンドー』では、従来のスター・ウォーズを凌駕するリアリティがあります。

スター・ウォーズはベトナム戦争当時のアメリカを強く反映していて、反乱同盟軍はベトコン(北ベトナムの支援を受けた反政府組織である南ベトナム解放民族戦線)を象徴しているというのは、随所に見られる分析です。

しかし、『キャシアン・アンドー』は、現在のアメリカの政治情勢だけを反映しているわけではないように感じます。
もちろん、作り手としては、アメリカを連想させるよう意図しているのだと思いますが、結果的には現在の日本の政治情勢と国民の生活とも重なる部分が多々あります。

シーズン1の第7話『声明』で、アルダーニの事件についてモン・モスマとルーセン・レイエルがやり取りした会話の一部を紹介します。
何か感じるものはありませんか?

アルダーニの事件を起こしたのはルーセンだと確信するモスマは「あなた帝国に火をつけたのよ。パルパティーンは容赦しない。」と切羽詰まった表情と声音でルーセンに迫ります。

すると、ルーセンはこう答えたのです。
「人はじわじわ首を絞められても、気づかず死んでいくだけだが、きつく絞まれば抗う。」

日本でも様々な物事において、国民の忍耐が限界を超えつつあるように思います。
昨年の衆議院議員選挙では自民党が過半数割れして少数与党となる歴史的なできごとがあり、全国でデモが何度も展開されています。
このような現状と重ね合わせずにはいられませんでした。

ゴーマンの虐殺の真相

「ゴーマンの虐殺」は、そういった出来事があったという事実だけが言及され、詳細はこれまで不明でした。

ゴーマンの虐殺というワードが登場したのは、アニメシリーズ『反乱者たち』のシーズン3、第18話です。
タイトルは『極秘輸送』。
お馴染みフェニックスのスターシップ「ゴースト」が極秘輸送の任務を受けますが、その輸送する対象こそがモン・モスマでした。
そのエピソード内でゴーマンの虐殺に触れられます。

『キャシアン・アンドー』のシーズン2は、その歴史的事件にフォーカスを当てたのです。

次回からの3話では、ゴーマンの虐殺そのものが描かれ、そして、モン・モスマが反乱の首謀者として指名手配される顛末が語られることでしょう。

策略と欺瞞に満ちた世界

駆け引きと探り合い、騙し合いが繰り広げられます。
仲間の中にもスパイが紛れ込んでおり、スパイでなくとも金や出世、価値観などを守るための駆け引きがあり、誰ひとりとして信用できない状況が描かれていくのです。

  • ソウ・ゲレラのパルチザン内
  • 帝国軍内部に潜入するスパイ(ロニ・ヤング)
  • 反乱組織内でのルーセンとキャシアン

ヴェルとシンタ

第6話で、ヴェルとシンタの関係に良い方向での進展がありました。
また、作戦実行前のミーティングでは、外から来た人間に仕切られるのを嫌がる運転手の存在、取り決めに「ブラスターを持つのはヴェルとシンタの二人だけ」というルールを入れたのも、何かが起きる予感を感じました。

これらはあからさまな布石に感じられ、終盤の展開は容易に想像できました。
(どうなったのかは明かしません。)

ビックスの今後

ビックスのPTSDはかなり深刻に見えます。
薬物を摂取する姿もたびたび見られ、中毒症状の一歩手前、あるいはすでに中毒になっている可能性もありそうです。

次から次へと厄災が降りかかるビックスには、どうにか幸せになってほしいと願っていますが、このドラマはあくまでも前日単です。

『ローグ・ワン』という結論が見えている以上、そこへ繋げるためには、ビックスが存在し続けることは許されないのではないか。そんな未来が見えます。

まとめ

そうです。今更ですが、このドラマはあくまでも『ローグ・ワン』の前日譚なのです。
ですが、結果が分かっていることの過去を知ることに意味がないと思いますか?
そんなはずはないですよね。
もしそうであれば、スター・ウォーズのプリクエルを観る人はいないでしょう。

ただ、『ローグ・ワン』をまだ観ておらず、『キャシアン・アンドー』から観始めたという方もいるかもしれませんので、『ローグ・ワン』がどうなったのかは明言しません。

あと半分(6話)残っていますが、すべて見終わるまでもなく、この作品は本当に傑作です。
一人でも多くの方に観てもらい、何かを感じてもらえたらと強く願います。

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