ノッティング・ヒルビリーズ (Notting Hillbillies) を知っていますか?

ノッティング・ヒルビリーズ

音楽の世界には、一瞬の輝きを放ち、静かに消えていくバンドがあります。
ノッティング・ヒルビリーズは、まさにそんな存在でした。

マーク・ノップラーの新たな挑戦

ダイアー・ストレイツのフロントマン、マーク・ノップラーが中心となり、1986年5月に結成されたこのバンドは、彼の音楽的ルーツを深く掘り下げるための試みのようでした。
もっとも、本格的な活動は1990年のアルバム『Missing…Presumed Having a Good Time』(後述)のリリースから始まっており、一般的にはこの年を結成と認識することもあります。
メンバーには、スティーヴ・フィリップス、ブレンダン・クロッカー、ガイ・フレッチャーといった実力派が集まり、カントリー、ブルース、アメリカーナの要素を融合させた独自のサウンドを生み出しました。

唯一のアルバム『Missing…Presumed Having a Good Time』

1990年にリリースされたこのアルバムは、まるで古き良きアメリカのロードムービーを彷彿とさせる雰囲気を持つ、「ルーツ・ミュージックの隠れた宝石」のような作品です。

ノップラーのギターは、ダイアー・ストレイツ時代の洗練されたプレイとは異なり、よりラフで温かみのある音色を奏で、アルバム全体がゆったりとリラックスした雰囲気で流れていきます。

収録曲で私のお気に入りは「Your Own Sweet Way」「Run Me Down」「Blues Stay Away from Me」で、どれも郷愁を誘うメロディが印象的です。

短い活動期間とその後

ノッティング・ヒルビリーズは、アルバムリリース後にツアーを行い、ヨーロッパを中心にライブを展開しました。
しかし、メンバーそれぞれが自身の音楽活動に戻ることを選び、バンドは短命に終わります。
それでも、1997年や2002年には再結成し、チャリティーライブなどでその音楽を披露したこともあります。

その後、ノップラーは1996年にソロ・アルバム『ゴールデン・ハート』をリリースし、以降はソロ活動に専念することとなりました。
彼のソロ・アルバムにも素晴らしい作品があるので、別の機会に紹介したいと思います。

ルーツ・ミュージック好きにはたまらない一枚

このアルバムは、派手なヒット曲こそないものの、深みのある音楽を愛する人々にとってはまさに「珠玉の作品」です。
ノップラーの音楽的探求心が詰まったこのアルバムは、ダイアー・ストレイツ時代のギタープレイとは全くと言って良いほど異なりますが、カントリーやブルースの魅力を再発見するきっかけとなるでしょう。
ノッティング・ヒルビリーズを知らなかった人も、特にルーツ・ミュージックがお好きな方はぜひこのアルバムを聴いてみて頂きたいです。
そこには、時代を超えて響く音楽の魔法が詰まっています。

👇の埋め込みボタンから、お持ちのメディアを介してアルバムを再生できます。

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