今から5年前、AIがこれほどまでの進化を遂げると誰が予測したでしょうか。
2020年当時を思い出してみてください。
私たちの手元にあったAIといえば、天気を教えてくれるスマートスピーカーや、少し賢くなった翻訳ソフト程度でした。
「プログラムコードを一瞬で生成し、創造的な絵を描き高品質な動画まで作成する。さらにはプロの小説家をしのぐ文章を書き短編小説を完成させる」。
そんな未来はSF映画の中か、少なくとも数十年先の話だと誰もが信じて疑っていませんでした。
しかし、現実はどうでしょう。 たった数年、いや、実質的にはこの1〜2年で、世界は一変しました。
この現象が教えてくれる真実はひとつです。 「技術の進化は、決して直線的(リニア)ではない」ということです。
私たちは未来を予測する際、どうしても無意識的に、過去の延長線上で物事を考えがちです。
「去年これくらい進歩したから、来年も同じくらいだろう」と。
しかし、テクノロジーの歴史において、その予測は常に良い意味で裏切られてきました。
技術進化の本質は、「たったひとつのブレイクスルー」による非連続的な飛躍にあります。
AIにおいて、それは「Transformer」というアーキテクチャの発見と、計算資源の増大というピースがハマった瞬間でした。
水からお湯への温度変化は、その水に手を浸けてみないと分からないものです。水が突如として沸騰するように、ある臨界点を超えた瞬間、変化は爆発的に起こります。
昨日まで「不可能」と言われていたことが、翌朝には「当たり前」になっている。それが、私たちが生きているこの時代の特徴です。

たとえばもし明日、あるいは来週、AIにおける「Transformer」のような決定的なブレイクスルーが量子技術の世界で起きたらどうなるでしょうか。
具体的には、現在の課題であるノイズ(エラー)を根本的に排除する「論理量子ビット」の安定的かつ効率的な生成技術が確立された瞬間です。
「10年後」といわれていた未来は、たった一手のオセロの石によって、黒一色から純白の世界に反転するが如く、一瞬で手元に引き寄せられます。
創薬のスピードが劇的に上がり、金融モデルは根底から覆り、エネルギー問題の解決策が見つかる。量子関連の株式銘柄も今とは比べ物にならないレベルでの高騰必至でしょう。
そんな未来への扉は、私たちがカレンダーを眺めて待っているよりもずっと早く、唐突に開くはずです。
私たちは今、再び歴史的な転換点の直前に立っているのかもしれません。 「まだ先の話だ」と高を括っている間に、世界はまたしても、劇的に書き換えられようとしているのです。
2026年まで残すところ1ヶ月となりました。
多くの人にとって、それは単なるカレンダーの切り替わりに過ぎません。
しかし、AIによる「指数関数的な進化」を目の当たりにしてきた私たちには、全く違う景色が見えています。
かつてAIが、一部の研究室の中から私たちの日常へと一気に溢れ出したように、量子技術もまた、臨界点を突破するエネルギーを静かに、しかし確実に充填しています。
「まだ先の話」が「まさか」に変わり、そして「当たり前」になる。 そのサイクルは、私たちが想像するよりも遥かに速く回っています。その幕開けは、もう目の前です。
間もなく到来する2026年が、将来の歴史の教科書でこう記される予感を禁じ得ません。
「量子元年 2026」。
さあ、シートベルトを締め直して、この歴史的な加速の瞬間を共に目撃しましょう。


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